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相続税に関する問い合わせ

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   税理士 永野 智一 n-tomokz@jcom.home.ne.jp 

 

税理士による相続人にやさしい相続税のページ (平成26年以前)

5. 円満な相続のための事前準備

(1) 公正証書による遺言書の作成

 

遺言には、通常の遺言と緊急を要する場合の特別な遺言がありますが、この項では、通常の遺言のうち、必要不可欠な自筆証書遺言と公正証書遺言について掲載しております。 

 

先に述べましたように、遺産相続の正確さを期するためにも、作成に少し手間がかかりますが公正証書遺言をお勧めいたします。自筆証書による遺言についても知っておかれて損はありませんが、自筆証書遺言は形式不備などにより無効になる恐れもありますので、作成に当たっては記載洩れのないように心がけてください。 

 

なお、遺言内容を法律的に行うことを執行といいますが、遺言を執行するものを遺言執行者といいます。遺言執行者は相続人の代理人であり、財産目録の作成や相続人への財産の交付などを行いますので、遺言書では遺言執行者を指定しておいてください。 

 

① 自筆証書遺言

 

この自筆証書遺言が有効であるためには、日付、氏名、相続人の氏名と相続財産などの必須項目をすべて自筆で書き、押印することが必要です。自筆証書遺言は、秘密裏に作成できることや第三者が関与しないなどで手軽に作成できますが、一方、遺言書の存在が不明になる可能性や紛失・改ざん・形式不備などにより無効になる可能性があります。これでは、せっかく相続人のために作成したものであっても、望ましい結果にならないことになります。このような理由で、少し手間がかかりますが、公証人などの厳しいチェックによる公正証書遺言をお勧めするものです。

 

なお、自筆証書遺言は、相続人が家庭裁判所に届け出、検認の手続きを受ける必要がありますので、葬儀前後の遺族の方にとっては煩わしい手続きになります。検認とは、裁判所が遺言書の存在と内容を確認したうえで、相続人の目の前で開封されるもので、遺言書の有効性を保証するものではありません。また、相続人が勝手に開封することは許されていません。

 

② 公正証書遺言

 

公正証書遺言は、公証役場で2名以上の証人が立ち会い、公証人が筆記して作成いたします。

 

公正証書遺言で証人になれるのは、利害関係のない成人に限られます。公正証書による遺言では、遺言書の存在が明確になり、形式不備もほとんどなく、また、改ざんや紛失・偽造の可能性もなく、裁判所の検認手続きも必要ありませんので、相続人の方にとっては優しい相続になります。遺言書をご検討される場合には、ぜひとも公正証書遺言をお勧めいたします。

 

なお、公正証書遺言による場合でもすべての財産を正確に記載することが困難な場合がありますので、『この遺言書に記載のない相続財産については、相続人乙が取得する』などの文言を入れておきますと、後から相続財産が出てきた場合に便利です。

 

(2) 遺言書の末尾の添え書き(付言)

 

相続を円滑に行うためには、被相続人が遺族のために生前対策を確実に行うことにつきます。また、相続人同士がもめないように各自の相続財産を考えてあげることが必要です。

 

相続税対策は、まず、

 

① 確実な遺言書を残すこと、次に

② 遺族に適した遺産分割を行うこと、そして、

③ 相続税納付対策がしっかりしていること、また、

④ 生前の相続税の節税対策がしっかりしていることです。

 

遺産を相続される相続人にとっては、兄弟姉妹間の取り分に差異があれば、不満が残る可能性もありますので、遺言書の文案に気を配り、財産を不平等に残さざるを得ない場合には、なぜそうするのかという“思い”を書き添えることによって、不満を解消することができます。優しい遺言書を残すことが、相続人間における争いを防ぎ、亡くなられた方の尊厳を守ることにつながります。なお、近年では、お墓を守っていくということ、つまり、『祭祀財産の継承』は維持費用や法要など想像よりもたいへんな苦労がでてきます。遺言書にこの点まで触れておかれるとよいと思います。

 

(3) 相続税の納付を考慮した遺産相続

 

先ほどの実例では、相続人の全員が現金や生命保険金を取得しておりますので、相続税の納付には全く問題はありません。相続人によっては、不動産のみを相続し、現預金などを相続しない場合には、手元資金で納付せざるを得ず、最悪の場合には取得した財産を売却せざるを得なくなる可能性がなります。相続税が少ない場合には、手元資金でお支払できますが、多額の不動産を相続した場合には、納税資金に事欠くことになりますので、ある程度の現預金を確保して遺産相続を行ってください。

 

(4) 第二次相続を考慮した遺産相続

 

先ほどの実例のとおり、配偶者には特別の税額軽減措置がありますので、相続した遺産額が法定相続分または1億6000万円以下の場合には、相続人には税金がかかりません。また、配偶者が多めに取得することによって他の相続人の税額を押さえることもできますが、一般的に配偶者は被相続人と年齢が近いことが多いので、配偶者がなくなった場合の二次相続を考慮して遺産分割を考慮することも必要になってきます。

 

(5) 出生から直近時までのすべての戸籍謄本の入手と経歴書の作成

 

相続税の申告書を提出する場合には、『被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本』を添付することになっています。この謄本を入手するためには、お亡くなりになられた人が本籍を置いていた市町村に照会するなど、結構手間のかかるものです。また、戸籍法などの改正により謄本の様式が変更されていれば、その分も含めて入手する必要があります。したがって、直近時までの戸籍謄本を入手しておくことが、相続人の負担を和らげることになります。

必須ではありませんが、お亡くなりになられた方の略歴書を求められる場合がありますので、できれば、略歴書をまとめておかれることをお勧めいたします。

 

 

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